November 03, 2010



座右の銘などない
また、夢だの希望だの頑張るだの、
そういう類いの言葉が
私はあまり好きではないので、
"夢に向かって頑張る"とか、
そういう言葉にはちっとも動かされない

だけれど、
たまに立ち止まって開く本がある
水泳の北島康介選手を支えた
平井伯昌コーチの言葉だ

「康介には才能がある。だからその才能を努力して育て、成長させ、咲かせないといけない。才能のある者は、ずっとずっとずっと努力していかないといけない。ずーっと努力することは辛い。才能があるってことは、とてつもなくきついところまでいかなきゃならないってことだ。」

才能がある人というのは、
頑張らなくてもできる、
そして羨ましがられる、
というイメージはとても間違っていて、
本当はとてつもなくきつい場所に
行かなければいけなく、
そしてそこへいっている人。

スポーツ選手は、
タイムや記録などで
目に見えて進歩や退化が日々わかってしまう
反対に芸術家は、
自分が今日どこにいるのか、
進歩しようが退化しようが
日々、目には何も見えない
目に見えないものを追い続ける苦しさと、
目に見えてしまうものを追い続ける苦しさは、
きっと全然別物なのだろうけれど、
たまに立ち止まってこの言葉を刻む

人間皆その人だけに特別に与えられた才能が
あると思うのだけれど、
ほとんどの人間はそれに気付かずに
人生を終えてしまう気がする
だから、もしも私が
少しでもなにかを与えられているとしたら、
それがどんなことであれ
それに気付き、努力し続け、
広い意味でのなにかを
 世の中に返していかなければいけないな、と思う

11月に突入、残り2ヶ月の2010年。
気持ちを新たに。


*写真はSymphony Hallでのリハーサル風景