February 08, 2011

ZUCCaのファッションデザイナーである小野塚秋良さんが、
こんなことをおっしゃっていた。

「ぼくは自分の作ったものを形として世に残したいって思いがないんです。いまやってる仕事が完成すると、それを残したいという気持ちよりは、風のようにふわりと世の中を漂っていってくれればいいやと思うんです。理科室に残る標本みたいに、ずっと残っていく服というのは不気味だという気持ちがあるんですね。」

その執着のなさが素敵だな、と。
良い意味で欲のない人、頑張らないという意味ではない、
欲のない人は本当に魅力的だと思う。
本当の意味で自分の納得したものを創っていたり、納得のいく仕事をしていたら、何かを残してやろう、なんていう気持ちはその中でどこかにいってしまうのかもしれない。
それが例えモノであろうと、自身の名前であろうと、
世の中に「自分」を残して何になるんだ、ということをわかっていると、生き方や世界はだいぶ変わってくる気がする。

私はZUCCaの服が元々好きで良く着ているのだけれど、
それを好きでい続けたい場合、どんな気持ちの人間が創っているのかを知ることが逆効果になることもあるので、そういうことはあまり知ろうとしないようにしていたけれど、もう少しだけZUCCaの服を好きになった瞬間だった。


*写真はシカゴ大学のあるハイドパーク
アメリカではどうしてもモダンすぎる私は
ヨーロッパな雰囲気を求めにふらっと散策