May 13, 2011

Sweet Home Chicago

以前ある人に
「あなたのことは、通り過ぎるだけの人だと思ってますから。」
と言われたことがある

その時は
傷ついたわけでも驚いたわけでもなく
なにも知らないんだなぁこの人は、と
ただ漠然と思ったのを覚えている

でも今になって
「通り過ぎるだけの人」とは
なんて真っ当なんだろうと思える
人生はすべて通り過ぎるだけで
通り過ぎない場所も
通り過ぎない人間もいない
出発点も到着点も
生きていても死んでいても
私は同じだと思ってる

人生はただの"つなぎ"みたいなもので
前にきっと誰かが生きていたであろう人生を
私は今たったのここ数十年生きるだけで
だからこの先私が死んでも
私のそのあとの人生を
また誰かが生きてくれるだろうと思う
それはもしかしたら
人間ではないかもしれないし
クラゲとかトンボとかかもしれない
でもそれは終わりではないし
始まりでもなんでもない
ただただどんどんつながっていくもの
世界なんて超えた大きな大きな流れの中の
一瞬そこにちょこっと私も顔を出せたかなぐらいで
私はもうお腹いっぱいすぎる

だから良いことも悪いことも
誰かに褒められることも怒られることも
理解されることも誤解されることも
好かれることも嫌われることも
幸せなことも不幸なことも
あんまり興味をそそられない
失敗や悲しいことよりも
成功や良いことがあるように頑張ろうとも
幸せなことがいい人生だとも
全然思わない

でもどこにも行き着かずに
通り過ぎるだけだからこそ
その途中で色々な人に出逢えたことを
色々な場所に印を付けられたことを
色々な人に愛してもらったことを
私は大事にしようと思える


*写真*

シカゴ最後の日
すべては通り過ぎるだけ、という気持ちなので
寂しさも未練もなにもないですが
シカゴ観光など全くしなかった私が
なにかあってもなにもなくても唯一よく足を運んだ 
シカゴでの私のベストビュースポットへ
シカゴの景色を見ながら最後は楽器の上で寝る私
夜はもっともっと素敵な夜景*