東京の窓から見える雪を眺めながら
同じ雪でも
降る街によって
こんなにも表情が違うものかと
考えたりする
あの冬のドイツの真っ暗な朝
雪をキシキシと踏みしめながら
学校に通っていた時の雪
シカゴ交響楽団の奏でる
ずっしりとした交響曲を聞き終わって
シンフォニーセンターを出た時に
マイナス20度の世界の中
ちらついていた雪
そして今こうして
建設中の高層マンションの合間に見る雪
どれもみんな違った顔
いつかの教科書に載っていた
あの有名な詩のように
みんなちがって、みんないい。
なんて全然思わないけれど
私は太陽がサンサンと降り注ぐ
あたたかい場所よりも
寒いところのほうが
音楽を含め創作がはかどる
キンとする寒さの中
世の中は暗く静かで
どうしようもなく孤独で
街には見渡す限りの
見慣れない人種が歩いていて
でも自分の方が本当は"外国人"
そんな場所に
たった一人こもって
向き合って赦して
音楽だけをつくる時間が
ほんとうに大切だなと
懐かしい雪景色をみながら思う
*写真*
シカゴの学校の前
ダウンタウンを走る
有名な高架鉄道"L"