March 23, 2012

O.A.情報

この度BS-TBSスペシャルドラマ
『家族が家族であるために』にて
女優・谷村美月さん演じる主人公
安達加奈さんへのヴァイオリン指導
また、作品内での彼女の演奏録音
吹き替えをさせて頂きました

オンエアは
3月28日(水)19:00~20:54です

この作品は
日本ではまだあまりメジャーではない
非配偶者間人工授精
AID = Artificial Insemination by Donor
について新しくたくさんのなにかを
投げかけてくるものになっていると思います

私が今ここで言葉にするのでは
なにもかも足りません


詳しくはこちらまで*

March 22, 2012

オールアップ

撮影中だったスペシャルドラマ
この度すべての撮影が終了しました*
今回の監督さんは生野慈朗監督

素人な私は今まで監督さんに注目して
ドラマを見ることはあまりなかったのですが
「3年B組金八先生」シリーズ、「愛していると言ってくれ」
「ビューティフルライフ」「オレンジデイズ」などなど
思い返してみると
生野監督の作品はほとんど見ていたというくらい
たくさんのヒットドラマを手がけてこられた方
そんな大ベテラン監督ですが
とても自然な優しさを持った方で
私にもよく気さくに話しかけて下さいました
ほんとうに力のある人間は
自分のことを頑張ってみせようとしない
ということをそのままにしたような
そして自分がその世界の中だけで守られて生きてしまうと
なかなかあんな風にフラットな感覚は保てないけれど
そのことにちゃんと気づいているような素敵な監督さんでした

また、他のスタッフも
ほんとうに気持ちの良い方々ばかりで
現場がとても居心地が良かったです
 
どこにいるかより
誰といるかのほうが大事
とはよく言いますが
なにに関わるかより
誰と関わるかのほうが大事な私にとって
こういう時間はとても大切な時間になりました

1か100かのどちらかしか存在しない
その間の微妙な感情が存在しない私は
人間自体もあまり好きではなく人を求めていないし
人と関わることで疲れてしまうことも多いですが
たまにこういう方々にスッと出逢えることで
あぁまだ大丈夫かもしれないなと思えるもの

生野監督、スタッフの方々、出演者の皆様、
本当におつかれさまでした*
ありがとうございました*

March 11, 2012

3.11

音楽家である友人がこんなことを書いていた

色々な音楽家たちが3.11の事について様々な思いを書いている
それを見ると「自分が音楽家として何ができるのか?」
というような表現をかなり見かけるけど
こんな災害時に音楽家である必要なんかあるのかなあ
隣の家が火事になってる時に
「自分は音楽家として」なんて普通考えるかなあ

というようなこと
そのままだな、と思う


人は人をほんとうには救えない
誰も誰かを救うことなんてできない
でもそれは決して悪いことではなくて
そのことを知っていてそれでも差し伸べる手に
ようやく意味があるのではないかと思う

だから私は今日この日もいつも通り淡々と
そして明日からもいつもと変わらず淡々と生きていこうと思う

それは手を差し伸べないこととイコールではないから

March 08, 2012

撮影風景

某コンサートホールのリハーサル室にて

私の指の動きや弓使い
また演奏時の体の動きなども様々な角度から撮影するため
撮影時の私は主人公の女の子と全く同じ服装と髪型になり
クローン状態に笑

1カット1カット
女優さん演じる主人公と私を交互に撮影し
この日の撮影時間は12時間にも及びました
前髪も普段とは逆の方向にぴっちり左分け!笑
そしてちょっと真剣
常時本当にたくさんのスタッフさんたちが動いて下さっています
カメラマンさんが私の動きを確認中
最後の方には主人公と私どちらの後ろ姿なのか
モニターチェックでは自分でもわからないくらい似てきたのでした

March 01, 2012

こんな感じで
あたたかいスタッフさんたちに囲まれ
レコーディングを無事終えることができました
スタジオの皆様、スタッフの皆様、
本当にありがとうございました*

また、別日に撮った前撮りレコーディングでは
4億円ほどの名器ストラディバリウスで弾かせて頂きました
以前、巨匠ヴァイオリニストのハイフェッツが
使用していた弓で弾かせて頂いた時
弓が自動演奏してくれているかのような感覚に陥りましたが
楽器にもやはりそういう感覚があるもので
それは、楽器に助けられる、というような
生易しいものではない感じがします
弘法筆を選ばず、という諺もありますが
それは、私は逆に筆(楽器)が弾き手を
選んでいるのではないかな、と思います
どんなに素晴らしい楽器でも
その楽器を存分に鳴らせない人では楽器に選んでもらえない

いつまでも楽器に選んでもらえるような芸術家になれたら、と
こういうものを手にした時にふと思います

レコーディング風景

弾きまーす!
今のどうでした?
とミキサーさんやスタッフさんたちと相談しながら
少しの休憩をはさみ
また別シーンのレコーディング
この日は某女優さんの演奏の吹き替えレコーディング
演奏時に使用するイヤフォン
私のブースからの眺め
ADさんが演奏の合間のセリフを言って下さってます
ピアノ伴奏付きのシーンでは
ドイツ・ケルン音楽大学時代に一緒だった
ピアニストさんと再び共演させて頂きました

ヴァイオリンに限らずだとは思うのですが
自分に聞こえている楽器から直に出ている音と
お客さんの耳に届いている音は少し違うもの
その両方を聞くため両耳のバランスはとても大事
でもレコーディング時に片耳にイヤフォンをして弾いてしまうと
楽器から出ている音を直に聞く方の耳は残っていても
自分の音を外から客観的に聞く方の耳が塞がれてしまうため
自分が聞いている音と聞き手側との音の間に差が出てしまう
また、その音楽自体がもつ呼吸や空気や流れが
なかなか自然な形では伝わらなくなってしまうこと
音楽は本来こういう場所にはなかったんだなぁと思う

こういう形でのレコーディングは
まだまだ学ぶことだらけですが
慣れるのではなく「知る」ことができれば、と
只今今後オンエア予定の
某スペシャルドラマに携わらせて頂いています
その模様を少しずつアップデートしていこうと思います

とある日は
東宝撮影所にて某男優さんに演奏指導
その後TMCスタジオに移動し
監督さんやスタッフさんとの顔合わせや衣装合わせ
そしてまた東宝撮影所に戻り某女優さんに演奏指導など

弦楽器は本当に3歳から5歳くらいまでの
小さい頃の教育や練習が後々とても大切で
その頃に動かしているのと
大人になってから始めるのでは
指の堅さやまわり方が全然違ってくる
よく言われている
ましてやヴァイオリンはピアノの様な打楽器ではないので
誰が弾いてもその決められた音がでるわけではないもの
自分で探って自分で見つけて自分で鳴らさなければいけない
だからこそ魅力的なのかもしれないけれど
普通に生活しているだけでは使うことのない体の動きや
筋肉や耳、そして神経を使うとても繊細な作業

それを短期間でこなせる俳優さん女優さんは
やはり選ばれた方々だけができる大変な職業で
それだけに本当に勘が良く素晴らしいです