March 01, 2012

こんな感じで
あたたかいスタッフさんたちに囲まれ
レコーディングを無事終えることができました
スタジオの皆様、スタッフの皆様、
本当にありがとうございました*

また、別日に撮った前撮りレコーディングでは
4億円ほどの名器ストラディバリウスで弾かせて頂きました
以前、巨匠ヴァイオリニストのハイフェッツが
使用していた弓で弾かせて頂いた時
弓が自動演奏してくれているかのような感覚に陥りましたが
楽器にもやはりそういう感覚があるもので
それは、楽器に助けられる、というような
生易しいものではない感じがします
弘法筆を選ばず、という諺もありますが
それは、私は逆に筆(楽器)が弾き手を
選んでいるのではないかな、と思います
どんなに素晴らしい楽器でも
その楽器を存分に鳴らせない人では楽器に選んでもらえない

いつまでも楽器に選んでもらえるような芸術家になれたら、と
こういうものを手にした時にふと思います

レコーディング風景

弾きまーす!
今のどうでした?
とミキサーさんやスタッフさんたちと相談しながら
少しの休憩をはさみ
また別シーンのレコーディング
この日は某女優さんの演奏の吹き替えレコーディング
演奏時に使用するイヤフォン
私のブースからの眺め
ADさんが演奏の合間のセリフを言って下さってます
ピアノ伴奏付きのシーンでは
ドイツ・ケルン音楽大学時代に一緒だった
ピアニストさんと再び共演させて頂きました

ヴァイオリンに限らずだとは思うのですが
自分に聞こえている楽器から直に出ている音と
お客さんの耳に届いている音は少し違うもの
その両方を聞くため両耳のバランスはとても大事
でもレコーディング時に片耳にイヤフォンをして弾いてしまうと
楽器から出ている音を直に聞く方の耳は残っていても
自分の音を外から客観的に聞く方の耳が塞がれてしまうため
自分が聞いている音と聞き手側との音の間に差が出てしまう
また、その音楽自体がもつ呼吸や空気や流れが
なかなか自然な形では伝わらなくなってしまうこと
音楽は本来こういう場所にはなかったんだなぁと思う

こういう形でのレコーディングは
まだまだ学ぶことだらけですが
慣れるのではなく「知る」ことができれば、と
只今今後オンエア予定の
某スペシャルドラマに携わらせて頂いています
その模様を少しずつアップデートしていこうと思います

とある日は
東宝撮影所にて某男優さんに演奏指導
その後TMCスタジオに移動し
監督さんやスタッフさんとの顔合わせや衣装合わせ
そしてまた東宝撮影所に戻り某女優さんに演奏指導など

弦楽器は本当に3歳から5歳くらいまでの
小さい頃の教育や練習が後々とても大切で
その頃に動かしているのと
大人になってから始めるのでは
指の堅さやまわり方が全然違ってくる
よく言われている
ましてやヴァイオリンはピアノの様な打楽器ではないので
誰が弾いてもその決められた音がでるわけではないもの
自分で探って自分で見つけて自分で鳴らさなければいけない
だからこそ魅力的なのかもしれないけれど
普通に生活しているだけでは使うことのない体の動きや
筋肉や耳、そして神経を使うとても繊細な作業

それを短期間でこなせる俳優さん女優さんは
やはり選ばれた方々だけができる大変な職業で
それだけに本当に勘が良く素晴らしいです