July 02, 2012

最相葉月著「ビヨンド・エジソン〜12人の博士が見つめる未来〜」
の中に科学者の一人として登場する古生物学者・佐藤たまき氏
彼女が科学者としての自分に影響を与えたと思う
忘れがたい一冊として紹介されていたところから派生し
今更ながら
藤原正彦著「若き数学者のアメリカ」を読んだ

アメリカに歴史がないことの致命的さや
アメリカには涙がないことに藤原氏が気づく瞬間など 
文章の端々が腑に落ちた
過ごした時代は全然違うけれど
同じくアメリカで生きたからこそわか
共感できるものがいっぱいあった

中でもこの一節が
あまりにもほんとうで笑ってしまった 

「私には、アメリカをアメリカたらしめているのは、何はさておき、まずその国土ではないかと思えるのだ。気の遠くなるほど広大な国土、肥沃な大地、豊富な天然資源、これらがアメリカに限りない富を与えている。この富こそが、アメリカが国家としての形態を保持していくための原動力であり、また、非常時には全アメリカ人を結束させる力なのではないか。」

この前後にはまた
日本とアメリカとの生きた比較が続くのだけれど

そしてこの一節を読んでいてふと
トップ上に載せた写真のことを思い出した
以前カリフォルニアで車の信号待ちをしていた時
ふと横を見たらこんな景色が広がっていて
走りながら携帯電話で思わず撮ってしまった写真たち
今にもなにかが降りてきそうな
もしくはなにかに救われていきそうな瞬間だった

アメリカ人という人間の種類や
まさに"合衆国"と呼ぶに相応しいアメリカという国は
私はお世辞にも好きとは言えないけれど
YesかNoかしかない考え方や
良いことも悪いこともすべてが自分の責任であり
誰も足を引っ張らない実力だけのフェアな社会である
ということに突如として猛烈に生き易さを感じたり
そしてそれと同じ分量で
色々なことに日々生きづらさを感じたりしながら
日本のような小さな島国では想像もできないような
壮大な土地(世界)を目の前に
少しずつ生き方を極められたらといつも思う