December 25, 2013


Merry Christmas and Happy Holidays everyone!! 
Frohe Weihnachten!!
皆様、素敵なクリスマスを♡

ケルン大聖堂、クリスマスマルクト前より。

December 14, 2013

HfMT Köln

突き当たりに見えるケルン音楽大学

自宅と大学とを結ぶこの道を
あの頃何度歩いたことだろう
色々な想いが蘇る

ケルン音大の最年少特待生として渡独したため
大学でザハール・ブロン氏のレッスンだけを
受けていればよかったのだけれど
私は普通の小学校にも通いたいと懇願し
現地の小学校にも入れてもらった
ケルンにいる時は
昼間は小学校、夜は大学という生活
これは今も昔も変わらないけれど
音楽仲間とプライベートでの学校の友達
というのをはっきりと分け
音楽をしている自分を知らない人間と関わることで
私は唯一バランスを保っていた
いつだって人間は誰も何者でもないのだけれど
何者でもない人間だと周りに認識され
そういう自分でいられる時間が
その頃の自分には大事なことだったように思う
新しくなっていた場所も所々あったけれど
ほぼ昔のままの変わらない学内
そして数えきれない程弾いたホール
私の知る限りの中で
ブロン門下というのは一つの特殊な世界で
先生に付いて生徒達が一緒に世界中を飛び回りながら
レッスンを受けコンサートをして回るという日々
ケルンを拠点にしつつも、3日後にはフランス、
その三日後にはスペイン、また三日後にはロシア、
そんな生活が繰り返し続いていく
けれどまたケルンに戻ってきた時には
私は音楽とは関係のない普通の学校に行くんだ
明日行かなきゃいけない場所がある、と思えること
パッと帰れる日常があったことも
めまぐるしい生活の中で自分を支えていたように思う

"普通"というものが何なのかは
人の数だけあると思うのでよくわからないけれど
その頃の私は自分の思う普通の生活がしたくて
普通になりたくてなりたくて仕方がなかった

でも近回りもし、遠回りもし、
一回りして今残っているのは
あの時期、あの年齢で、あの日々を、あの音楽を、
経験させて頂けてよかったという感謝の気持ちだけ

そのすべてが今の自分をつくっているんだと
ちっぽけだけどほんとうに思うし
あの頃あの"世界"の中で一緒に過ごした音楽仲間と
幼かった自分が感じていた複雑で些細な気持ちを
心の中で大切に想う

December 11, 2013

Köln

何十年?ぶりかのドイツ・Köln

当時11歳だった私
初めての音楽留学
言葉も地理も生活も知人も何一つ持っていない中
スーツケース一つ
母と二人きりでやってきたこの街
日々の生活の中
視界の先にはいつもこのケルン大聖堂があって
目の前に立つとクラクラする程の歴史の大きさと
圧倒的な恐怖感
子供ながらに
どうしてこんなに黒いんだろう、
不気味だなぁ、といつも思っていた

目の前に建つモダンな中央駅と
その後ろにそびえる合成のような大聖堂
懐かしいこの景色

December 05, 2013

Latin GRAMMY Awards

グラミー賞授賞式

周りのミュージシャンは皆
レイ・チャールズや、マイケル・ジャクソン、エルビス・プレスリー、
フランク・シナトラ、ロット・スチュワート、ジョン・ウィリアムズ、
トーマス・ニューマン、ブライアン・マックナイトなどを手がけてきた方々

私は音楽のジャンルもフィールドも違うので
なぜ私が呼ばれたんだろう?状態だったけれど
私はクラシックよりもこういう音楽を聴いて育ってきたので
皆の極めきった"楽器"のうまさに刺激をもらいながら

"バンドマン"と聞くと
その言葉が含むナルシシズムなイメージから
あまり好きな種類の人間ではなかったけれど
皆仙人のようなおじいさんたちばかりで
若い頃からの人生の日々を
毎日狂ったように楽器を触ってきたんだろうということが
複雑でない感じに、でもしっかりと伝わってきて
そして歳を重ねた今も
音楽をしている瞬間が楽しくて仕方がないんだと
静かに想っている感じが
納得せざるを得ない素敵さで

リハーサルの休憩中
ギタリストが突然ジミ・ヘンドリックスの"Foxy Lady"を弾き始めると
ベーシストがそれにのり、そしてバンドメンバー皆がのっていき
ジミヘン一色になったり
リッキー・マーティンの衣装のサイズがどうしても気になってしまったり笑
カルロス・サンタナにギターソロを弾きながらウィンクされたりしながら笑
異空間ながら終始ドキドキする素敵な時間でした

そして改めて
一つの大きなイベント
また一人一人のアーティスト、ミュージシャンをサポートして下さる
膨大な数のスタッフの皆様に
尽きない感謝を込めて 

November 14, 2013

Elliott Carter Tribute Concert

先日行われた
エリオット・カーター トリビュートコンサート

今まであまり深く関わることのなかった現代音楽
私はアメリカの音楽大学で学んだこともあってか
あまりメジャーでない作曲家の曲であっても
アメリカ人作曲家の作品に触れる機会は
ヨーロッパで学んでいた頃より多かったように思う
けれどただ"勉強"をした曲と実際に自分で演奏するのでは
もちろん全然別物の難しさがある

今回弾かせて頂いた
"4 Lauds for solo violin"という曲
4つの小品が集まっている中の一つが
米テロ9.11の時に書かれたということもあって
音を出す度にいろいろな情景が浮かんでしまい
何度も楽器や精神をもっていかれてしまったし

様々な楽器編成を織り交ぜながら
すべてエリオット・カーターのプログラムで構成されたコンサートを通して聴き
最後の最後に残った気持ちは
やっぱり「よくわからない」だった
真面目な気持ちでほんとうにそう思った

自分がわかっていないということを知っている人間の方が
わかっていないことを知らない人間より良いなどと言われているけれど

「わかる」ことなんて他人とは共有できないし
自分以外の人間とわかり合うことなんて
永遠にないと私は思う
例えお互いがわかるよ、と言い合っても
その人の理解の分量は
自分のそれと完璧に一緒ではないのだから
そしてそんな馴れ合いは求めてもない

「わかる」と言う人のわからなさ
そして「わからない」と言う人の深いわかり方

結局何事も
わからないということがすべてなんじゃないかと思う
今回改めて関わった現代音楽やカーターから受け取ったものは
そんなメッセージだった気がする

次はラテングラミー賞授賞式でのコンサート
また新しい音楽、新しい世界がある

*写真*
フライト前、搭乗ゲートにて。
野球やサッカーを差し置いて、アメリカでは何よりも人気なスポーツ、
アメフトの試合に夢中なアメリカ人たち。

October 23, 2013

米ハーバード大学医学部を出て
医者にならなかったという石川善樹氏のプレゼンテーション

The Secret of Life: What Really Makes Us Live Longer 

様々な研究の結果
人間の寿命を延ばすものは
運動をすることでも、太りすぎないことでも、
お酒を飲み過ぎないことでも、煙草を吸わないことでもなく
「つながりを持つこと」(Social Relatiohship)だという

例えば自分が入院してしまった時
一度、ではなく、何度もお見舞いに来てくれる人が
あなたは何人いますか?という話に

急性心筋梗塞で入院した患者さんの半年以内の死亡率は
誰もお見舞いに来てくれない患者さんが69%
サポートしてくれる人間が一人いるだけで43%
二人以上いるだけで26%まで下がるという

色々な場所で良く耳にし
また手放しに大切だと言われている
 「つながり」

感謝することは別物とし
誤解を恐れずに言うならば
私はつながりや絆という言葉が好きではない

人生はそんなに長くないから
"みんなと仲良く"なんてしている時間はないし
つながりを大切にするどころか
気のないところに無駄な縁をつくらないよう
心がけている
それはもしかしたら違う方向から
ほんとうに大切なつながりだけを
守っていることになるのかもしれないけれど

与えられた以上に長く生きたいとも思わないし
長く生きている人間の方が経験が豊富なわけでも
それらを含め偉いわけでも全然ない

でも改めて
人間と人間との関わり方
距離の取り方を考える

October 17, 2013

Upcoming concerts

日時:2013/10/30(水)
会場:Doc Rando Recital Hall, U.S.A.
曲目: Elliott Carter : Triple duo 他

"Live at GVPC Concert Series ~15th Season~"
日時:2013/11/03(日) 19:30開演
会場:Green Valley Presbyterian Church, U.S.A.
曲目:Beethoven : Piano Concerto No. 3 with String quartet 


"Elliott Carter Tribute Concert"
日時:2013/11/05(火) 19:30開演
会場:Doc Rando Recital Hall, U.S.A.
曲目:E. Carter : "Rhapsodic Musings" from 4 Lauds for solo violin


"Latin Person Of the Year GRAMMY Awards"
日時:2013/11/20(日)
会場: TBA
曲目: TBA

October 08, 2013

とある日
珍しい恵みの雨のあとに
自宅練習室の窓に現れたダブルレインボー

次に控えたコンサートにて
クァルテットバージョンで演奏予定の
ベートーベンのピアノコンチェルトを聴きながら
男性の演奏ってやっぱり素敵だなぁと思う

ふといつも思うのは
様々な職業の中でもかなりの割合で
極めた先にあるものは男性なんじゃないかと思う

ピアノやヴァイオリン、弦楽器管楽器、
その大概の楽器が、私は男性が演奏する方がしっくりきてしまう
画家を含め芸術家以外にも、
パティシエ、寿司職人、映画監督、経済界の方々などなど
皆何となくそれに当てはまる気がする
料理は女性がするもの、という感覚の人間もいるし
女性の作る母の味もある
けれど例え料理であっても、極めた先の最終形は男性のもの、
という感じがする

私は自分を含め
女性という生き物自体があまり好きではないので
なおさらそう感じるのかもしれない
もちろん例外もあるけれど
女性特有の何となく言葉では説明しづらい不安定さや
子宮で考えると言われるようにロジカルシンキングではないこと
色々な事柄が彼女ら自身の中で勝手に
誇張されたり控えめになっていたりして
ほんとうは10だったものが100になっていたり1になっていたり
生き方や感情に波がある
なんとなくそういう生き物のすることに
信頼が持てない感じがしてしまう

だからだろうか
好みの問題と思ってしまえば
きっとそうなのだろうし
もちろんそういう不安定な生き物であることが
芸術を通すことで良い方向に反映され
そのものにしか奏でられない音楽もあるのかもしれないけれど
どんなに素晴らしい女流ヴァイオリニストの演奏であっても
うぅ、気持ち悪いところで歌うなぁ、という
媚を売るような生温い色気を音楽の中に感じてしまい
なんだか痒い気持ちになってしまう
男性巨匠陣のような
視覚ではオーバーなことは何一つなく
ただただシンプルで無駄のない
届く音色だけが勝負の音楽になかなか出逢えない 

さらに突き詰めて言うならば
歳を重ねたおじいさんの演奏はもっと素敵だなぁと思う
死が近い感じが強くする
人間皆死との距離は同じはずだから
おじいさんの方が若者より近いということは必ずしもないのだけれど
何となくゆっくりとした死の近づき方が演奏に滲み出ている
そしてそれこそが、音楽の本来の姿な気がするのだ

October 03, 2013

Masterworks I ~Operatic Love~

イリノイ州、ワシントン州と数日おきに飛び
同じ国内でも時差のある広いアメリカで
微妙な時差ボケの中始まったオペラ公演

2,000人を越える客席はほぼ満席で
フィナーレではスタンディングオベーション
外国のお客さんの素直な反応はいつも豪快で
弾いている方は気持ちが良いのだけれど

でもなんだか
歌い手や演者を見ていて
私はここまで自分自身に興味を持てないし
自分をそこまで好きにはなれないなと思ってしまう

演奏をする者、演技をする者、
自分の精神や想いを裏方ではなく表で表現する者
そういう人前で芸をする人間特有のナルシシズムが
私と音楽との距離をいつも遠ざけてしまう
でもそれはきっと
私がまだ本物を知らないからなんだろう

知らないことだらけだから
生き続けていくことをやめられないのだし
知らないことを知りながら
少しずつ死に近づけるのならば
人生は辛くて当然と思っていたけれど
もしかしたら
それは素晴らしいことなのかもしれない

日々の経験に感謝しながら

September 19, 2013

シカゴのWater Tower Place近く
ドンピシャなセンスで
私の大好きな内装のレストラン
ラルフ・ローレンのショップに隣接する
ラルフ・ローレン・レストラン

ランチから既にたくさんの人
記念日などのお祝いごとで来ている人たちもちらほら

サーバーの方々の制服はもちろん
食器もすべてラルフ・ローレン
Ralph Lauren Restaurant @ 115 East Chicago Ave.
シカゴ時代お世話になった楽器屋さんのフロント
たくさんのアーティストの方々の写真とメッセージ

奥にある真っ赤な壁の小さなサロン(写真下)では
リハーサルやマスタークラスをさせて頂いたりして
飾られている絵画の一つが
恩師であるザハール・ブロン氏に
なんとなく似ている気がして
いつもピリッと身が引き締まる思いだった

私が初めてこの楽器屋さんを訪れた時
ヴァイオリンドクターに
「パジャマでこの辺を歩いているヴァイオリンのすごい子が最近来た、という話を噂を聞いていたけど、それは君のことだったんだね!」と
笑って言われたのを今も覚えている
きっとヴァイオリンではなくパジャマのすごい子だったのだろう… 

当時私は、大学と中でつながっている寮に住んでいて
家と大学という区別も全くなく
またこの楽器屋さんも大学の隣に位置していたので
パジャマにしていた、お猿さんのついた何ともダサすぎる
某アーティストのツアーTシャツをほぼ毎日のように着ていて
当時組んでいたクァルテットのリハーサルにも
毎度のようにそのTシャツを着て行っており
「君は猿が大好きなんだね。」とメンバーによく言われていた
特に猿が大好きだったわけではもちろんなく笑
きちんと身なりを気にするような気持ちの余裕も時間も
単純にほんとうになかったんだなぁと思う

そんな当時の私は、こんな素敵な空間へも
そんなお猿のついたパジャマで来てしまっていたんだなぁと
髪振り乱して生きていた頃の自分への想いと少しの恥ずかしさに
なんとなく歯がゆい思いがする
Bein & Fushi Inc. @ Fine Arts Building

September 18, 2013

久しぶりのシカゴ
大好きな老舗楽譜屋さんにて
掘り出し物の楽譜を調達

ドアを開けた瞬間の楽譜の匂いは
本屋さんや図書館のそれともまた違う
不思議なもの

そんなことを感じる余裕すらなく
ただひたすらに授業の合間を縫ってここへ駆け込み
目の前で必要な楽譜だけを探していた
忙しかった学生時代を思い出す

ここでくるくる回る椅子に座りながら
ゆったり働くおじいさんは
どんな珍しい楽譜も探してきてくれる

Performers Music @ Fine Arts Building on Michigan Ave.

August 15, 2013

長いようであっという間だった2週間が経ち
Green Valley Chamber Music Festival閉幕

色々な素敵な出逢いと発見があり
また自分自身も新しい気持ちが見えた日々でした

なかなかこれだけの数の生徒を一気にサポートし
一緒に演奏する機会は今まであまりなかったけれど
最後のコンサート終了後
生徒さん、そして教授陣の皆に、
ここに来て、サポートしてくれてありがとう、
Thank you for your leadership!と言われたことで
救われた気持ちになりました

初めは何がなんだかよくわからず
緊張感でいっぱいだった生徒さんたちが
最終日に近づくにつれ
よし!オケや室内楽はどう弾くかわかってきた!というような
自信に満ちた表情で音楽をしているのを見るのも
私の幸せの一部であり
皆素直で一生懸命で
"良い"生徒を教えることだけが幸せじゃない
という意味が少しわかったような気がします

アメリカの"褒める"教育にも
初めてこのような形で直面し
何がほんとうの優しさかを考え
また、音楽家として生きていくこと
音楽家としてだけ生きていける人間の厳しさも
ほんとうの意味で考え直すきっかけになりました

色々な人間がいて
色々なやり方があり
色々な育て方がある

そもそもゴールなど存在せず
音楽でのゴールは一つじゃないし
色々な種類のゴールがあって
色々な見方、関わり方、
答えはたくさんある
そういうものを
まだ若く、ただ純粋に音楽に触れ
音楽が好きな生徒たちに
伝えられていたらいいなぁと思いながら

*写真*
(上)音楽祭中盤、室内楽のコンサートのあったGreen Valley Presbyterian Church
(中)Faculty concertゲネプロ風景。永年ロサンゼルスフィルコンサートマスターを勤めたA. Treger氏、ピアニストM. Suk氏、ヴァイオリニストOleh Krysa氏の息子であり指揮者のT. Krysa氏ら
(下)ほぼすべてのコンサートを行ったDoc Rando Hall

August 01, 2013

Green Valley Chamber Music Festival

今週から講師陣のアシスタントとして、
講師陣のサポート、オーケストラのコンサートミストレス、
受講生への指導をさせて頂いているGreen Valley Chamber Music Festival

最終日にはソリストとして、
オーケストラとバッハのBrandenburg Concertoを弾かせて頂きます


日時:2013/08/02(金) 18:00開演 
会場:Green Valley Presbretarian Church, U.S.A.
曲目:Beethoven : String Trio in C minor
Ravel : String Quartet in F major他 

日時:2013/08/03(土) 15:00開演
会場:Doc Rando Recital Hall, U.S.A.
曲目:Vivaldi : Violin Concerto in G minor ("Summer")
Tchaikovsky : Serenade for Strings in C major他

日時:2013/08/09(金) 18:00開演
会場:Doc Rando Recital Hall, U.S.A.
曲目:Mozart : Oboe Quartet in F major
Haydn : String Quartet in D major他

日時:2013/08/10(土) 15:00開演
会場:Doc Rando Recital Hall, U.S.A.
曲目:Bach : Brandenburg Concerto No. 1 in F major (Violin Piccolo : Yuki Hashimori)
Beethoven : Symphony No. 2 Op. 36他