May 01, 2015

"The world doesn’t need another violinist. We need artists, poets, people who move us."

親愛なる恩師、シュムエル・アシュケナージ氏のインタビュー記事


生徒を教える上で大切なことや
生徒を育てていく上で必要な、
音楽以外での人間としての精神的な関わり方、
様々なコンクールを審査していて
良く弾けるヴァイオリニストは今本当にたくさんいるけれど、
芸術家、アーティストがいない、といつも言っていたこと

そしてインタビューの最後にある
"I tell my students that the world doesn’t need another violinist. We need artists, poets, people who move us. I try to influence at least the people in my sphere to take chances and to find their voice, while being faithful to the score. I believe it is possible.  
I recommend anyone who doesn’t truly love music to look elsewhere for a career, because if you don’t have that love, you don’t have the rewards. All you have is a commercial profession. But even if you love it, you have to eat, so you have to make compromises and sometimes it’s painful."
という言葉

こういう言葉を聞くと
いつだったか彼が
ほんとうに好きなものって、
好きかどうかを考えないものじゃないか?
と私に言ったその視線が今でも思い出される

またそれと同時に
いつかの音楽祭で
私が彼のアシスタントとして通訳を務めさせて頂いた時
今すぐヴァイオリンはやめて、違うことに君の人生の時間を使った方がいい、
人は食べて生きていかなくてはいけないから、
と何人かの受講生に彼が言っていたのも知っている
それは一見とても酷なようだけれど
一人一人の人生をほんとうに想うが故と
音楽は目に見えないけれど
それをして生きていきたい以上
音楽は時にとても"現実"であるということをわかっていて 
人生は限られた時間しかないということを知っているが故 
それはもしかしたら一番愛を含んだメッセージであり
アドバイスだったのかもしれないなと思う

私もまだまだ彼が生きている間に彼から学びたい、
学ばなければならない、と思うことだらけだけれど
既に今日まで彼が私に差し出してくれた音楽や言葉、
芸術家としての生き方が
現在の私に与えた影響は測り知れないし
それらが今少しでも自分の音楽や演奏として表現され放たれ
そしてその先でまた自分の生徒たちが
それを新たに受け継いでいってくれるのであれば
そうした流れと繋がりこそが世の中そのものであり
喜びなのかなぁと思う